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2012年11月3日土曜日

米「財政の崖」が世界に不況を輸出する!?


みずほ総合研究所の2012/10/31付レポート「リサーチTODAY:世界中「財政の崖」で需要不足「合成の誤謬」」では、2013年にかけてアメリカの「財政の崖」による財政赤字の縮小は、更なるアメリカの経常収支赤字の縮小をもたらしやすく、世界の需要不足につながることが懸念されています。
URL(PDF): http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/today/rt121030.pdf

レポートでは、1980年代以降の世界の経常収支の推移が示されています。
これを見ると、米国が経常赤字を拡大させることが、すなわち世界中の国が米国へ輸出をして米国が購入することが、世界の成長エンジンになっていたことが分かります。
















世界全体の経常収支対名目GDP比推移(レポートP1より)

経常収支=(貯蓄S - 投資I)+(税収 - 政府支出)=民間の貯蓄余剰(不足)+ 財政余剰(赤字)。
「米国の経常収支の赤字は民間の貯蓄不足に加えて、財政赤字によるものが大きかった」ため、アメリカの財政削減によりアメリカの消費が低迷し、アメリカへモノを売ることが経常黒字に貢献していた日本や中国の景気への影響が懸念されます。

さらに、「欧州地域においても、ユーロ導入後の2000年代以降の経常収支の不均衡拡大、すなわち赤字と黒字の拡大は米国に次ぐ第二のエンジンを欧州がもたらすことになった」ということで、2000年代以降、世界には米欧の主要2大エンジンが存在したことが世界経済を引っ張っていたのが、「欧州も米国の「財政の崖」以上の財政緊縮化(欧州版財政の崖)を2013年に向けて強くコミットする状況にある」ことで、、世界全体の需要が大きく収縮する不安が強まると懸念がされています。

「昨今の、中国、日本、その他アジア等の貿易を通じた経済縮小には、このような環境が背景にある」と解説がされています。

【関連記事】
・2012/9/12 中長期の経常収支の見方について(内閣府より)
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