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2012年12月23日日曜日

金融庁の要望案を基に日本版ISAの使い方 少額投資優遇制度とは

2014年1月から「日本版ISA」と呼ぶ少額投資の優遇制度が始まる見通しです。
株式と株式投資信託の投資優遇税制を打ち切る代わりの制度で、家計の資産形成を支援する仕組みとして金融庁が強力に導入を後押ししており、個人へのメリットについて、日経(2012/12/22)「根付くか少額投資優遇 日本版ISA、導入へ調整 年100万円まで非課税」の記事は伝えています。

記事サマリー:

【金融庁の要望案を基に日本版ISAの使い方】
・優遇税制
例えば90万円で買った投信が120万円に値上がりした場合、非課税期間の5年以内に売却すれば30万円の利益は非課税
毎月分配型投信などの普通分配金も非課税だが、受け取った分を再投資すると非課税投資枠は減る(年間投資額に算入)
<非課税期間が終わった場合>
120万円に値上がりした投信を非課税期間が終わった後も持ち続けようとしたら、特定口座などの課税口座に移さなければならない。その際は非課税期間終了時の「120万円で購入した」とみなされ、その後130万円で売却すれば10万円の譲渡益に税金がかかる。90万円で買った投信が5年後に非課税投資枠に収まる95万円になっていた場合は、売却せずに6年目の新たな投資枠に入れられる

・口座開設
少額投資優遇制度を利用するには税務署への報告が必要(非課税枠の悪用を防ぐため)
実際には口座を開く金融機関に住民票を提出すれば、手続きは金融機関が代行
口座開設の受け付けは13年10月から

・投資対象
上場株式と公募株式投信
新規投資が前提で、現在保有している投信などはISA口座に移せない
「投資の初心者向け制度」との位置付け
個人向け国債や公社債投信も対象に加えるよう求めているが、システム対応に時間がかかるなどの理由で実現は16年1月になりそう

・商品入れ替え
1年間の投資枠内(100万円)での商品入れ替え(スイッチング)はできない(「金融機関がファンドの乗り換えを促して手数料稼ぎに利用されかねない」のが理由)
途中売却は自由だが、売却部分の枠は再利用できない。「これではリバランス(投資額の調整)がしにくい」との批判も

・値下がり時
ISA口座で50万円で買った投信が40万円に値下がりしたらもちろん非課税メリットはなし。また、特定口座で保有している株式や投信との損益通算もできない(「ISA口座はあくまで特定口座に付加するボーナス枠」という考え)

(記事での日本版ISAについての解説)

・少額投資優遇制度のお手本は英国が1999年に導入したISA(Individual Savings A
ccount)英国ではISA口座の開設者が総人口の4割近くを占めるほど普及
・2014年からの3年間、毎年100万円までの株式や株式投信への新規投資について、口座内で生じた譲渡益や配当金が非課税になる
・2012年時点での制度概要。金融庁から要望も出ており、まだ未確定部分も




















(参考)

平成25年度 税制改正要望項目(PDF:634KB) - 金融庁
http://www.fsa.go.jp/news/24/sonota/20120907-2/01.pdf
要望事項
・投資可能期間を(平成26年からの3年間だけでなく)恒久化
・対象商品を拡大し、公社債・公社債投信への投資を可能に
・毎年新たな口座の開設を不要とする(原則一口座とする)
・平成23年度税制改正大綱等に則り、経済金融情勢が急変した場合には、軽減税率の延長を行う


・日本版ISAを通じた総投資額を20年までに25兆円にするのが金融庁の目標。
(1)個人の金融資産を日本経済の成長を促す成長マネーの供給源にする
(2)若年層などの自助努力による資産形成を後押しする
(3)家計が安定的なリターンを得る手段として国内外の資産への長期・分散投資を広げる
のが目的。金融庁の油布志行・総合政策室長は「個人に資産形成の成功体験を積み重ねてもらい、投資家の裾野を広げるための制度」と話す
・2014年から3年の期間限定では長期投資にそぐわないし、金融機関もコストのかかるシステム対応に二の足を踏む。そこで金融庁は9月の税制改正要望で制度の恒久化などを求めている。非課税期間を10年にしたまま恒久化すると最大非課税枠が1000万円になるため、「富裕層優遇」の批判が出ないよう、非課税期間を5年に短縮するなど工夫をしている。
・要望がかなうかどうかは2013年初に決まる税制改正大綱で決まる。自民党政権時代に導入が決まった制度だけに「政権交代は追い風」とみる金融関係者は多い。仮に金融庁の要望通りになったとしても、日本版ISAの使い勝手は本家の英国版に比べるとまだ劣る
・制度の普及は金融機関の取り組みとともに、いかに使いやすい仕組みに進化させていくかもカギ
(参考)


野村総合研究所「日本版ISAは金融機関にとって魅力的か」
http://www.nri.co.jp/opinion/kinyu_itf/2012/pdf/itf_201210_4.pdf




【マネーの知恵(仮)関連記事】
・2012/8/14 債券、株と一体課税の方向(日経より) 10%の軽減税率は終了か!?
http://money-learn.seesaa.net/article/286617544.html
・2012/7/12 長期の資産形成と自分年金の作り方を考える(1)
http://money-learn.seesaa.net/article/280414842.html
・2012/6/28 J-REIT投資の分配金と資産形成について考える(1)
http://money-learn.seesaa.net/article/277673639.html

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