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2013年3月30日土曜日

税務調査で「おみやげ」はどこまで有効か?

税務調査の調査官はどんなことを考えているのでしょうか。
あなたのファイナンス用心棒吉澤大ブログの記事(2013/3/29)「税務調査で「おみやげ」という名の修正申告をわざとするなんてこと本当にあるの?」では、税務調査の税務署の調査官との駆け引きについて記されています。
記事URL: http://yoshizawaacc.blog37.fc2.com/blog-entry-952.html

税務調査では、税務調査を早く終わらせるためにあえて修正申告をすることを「おみやげ」と一般に呼ばれています。
本記事では、税務調査で「おみやげ」なんてものが必要なのかどうかについての話がされています。

かつては「おみやげ」で済んだこともあるようですが、今の時代、「本来支払うべき必要もない修正申告をすることで、税務調査を早く終わらせるということもないでしょう」ということです。
(*ASK注 残念!)

まず、税務署員も公務員で仕事としてやっているわけで、「正義感やコンプレックスを刺激して本気で仕事をする気にさせない限り、別に租税正義の実現のために不正を正そうとしているわけでもない」という心理で、「「ちゃんと仕事をしましたよ」と上司に報告ができるような体裁が整うことが最低限必要」ということです。
そこで、下記のようなスタンスであるとのこと。
・ちゃんと調べていないとあとで叱責される重要な項目はすべて調査をする
・なので、重要な項目で一つ指摘事項を見つけても、他の重要な事項もチェックする
・何も指摘事項がないとちゃんと仕事をしてきたのかといわれるので出来れば何か指摘をしたい
・なので、重要な項目から調べるが、何も指摘事項がないと指摘することが細かくなる
・もちろん、それでも何もなければそれはそれでやむを得ない

(*ASK注 とは言え、何の成果もなく帰るのも調査官としては自分の評価に響くわけで、交渉材料としては「おみやげ」というか、何らかの花を持たせるというのもあり得るようではあります。税務調査官と言っても人間なわけで、一般的にはこのような仕事のモチベーションなのだろうなという想像もしやすいですね。当ブログでは、重加算税のような重い処分にならない「見解の相違」で指摘されるのを覚悟の上で損金に突っ込むという技も披露されております。)

現場では、「現場では好かれていないことを十分理解しながら、公務員として淡々粛々と仕事をこなして」いるもので、「お茶やコーヒーと言った液体は出されても手をつけてもいいが、お菓子やケーキのような固体には手をつけてはいけないなんて言われている」ということで、大変なお仕事ですね・・

【関連記事】
・2012/9/28 改正国税通則法 税務署による「事前通知」の原則義務化や追徴課税の説明義務
http://moneyneta.blogspot.jp/2012/09/blog-post_4736.html
・2012/9/22 税務調査で調査官にメールを見せるよう要求された場合の対応方法
http://moneyneta.blogspot.jp/2012/09/blog-post_22.html

元国税調査官が斬る 税務調査の真実
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2013年3月28日木曜日

人口ボーナスのインド、人口オーナスの日本、2010年代半ばから人口オーナス期に入る中国


農林中金総合研究所(金融市場2013年4月号)では、人口ボーナスについて解説されています。

人口ボーナス(Demographic Dividend)
・人口動態が経済活動に及ぼす影響のうち、とくに人口構成の変化が経済成長にプラスの影響を与えるという考え方
・出生率が高く、平均寿命の短い(死亡率の高い)開発途上国において、出生率が低下し、扶養人口が相対的に減少することを通じて一時的に経済成長を促進するという考え方
・既往研究を考慮すると、生産年齢人口比率の変化が、その国の経済に一定程度の影響を与えていることは明らか
・生産年齢人口(15~64 歳)比率の変化は、一人当たり GDP 成長率など、マクロ指標と相関関係にある(IMF『世界経済見通し(WEO)』2004/9)
・日本では、1960~1980 年代に生産年齢人口がピークを迎え、人口ボーナスの影響を日本経済が享受できた
・新興国で生産年齢人口比率が最初にピークを迎えるのは中国で、次にブラジル、インドの順であるが、21 世紀中ごろには、これらの国々で生産年齢人口比率は低下し始める。これらの国々では、人口構成の変化が今後急速に進むと予想され、当該国の経済動向や社会保障制度などに影響を与えることが懸念される。

中国、インド、ブラジル、日本の生産年齢人口比率の推移(1950~2050年)が下記のように示されています。
















農林中金総合研究所(金融市場2013年4月号)新興国ウォッチ「人口ボーナス」より
http://www.nochuri.co.jp/report/pdf/f1304emc.pdf

東レ経営研究所「人口オーナス」では、日本の人口ボーナス期は 1990年代初頭で終了し、今は人口オーナス期に入っている。中国はこれまで人口ボーナス期真っ盛りでしたが、2010年代半ばには人口オーナス期に入る見通し。一方、インドでは人口ボーナス期が 2040年頃まで続く見通しであるということです。

日本のように生産年齢人口が急減すると同時に、高齢人口が急増する事態のことを人口オーナス(onus)と言います。onusは英語で重荷や負担を意味する言葉。
なお、「人口オーナス期に入った国や地域が経済成長を維持するには、①社会保障を整備し、世代間格差是正に取り組むこと、②女性や高齢者の雇用を促進することで労働力率を高めること、③労働投入が減少しても生産性の上昇により成長率を維持していくこと(そのために、教育などによる人的資本の強化、良質な資本ストックの蓄積、技術革新の推進等に注力すること)、などが重要な課題」と指摘がされています。

東レ経営研究所「人口オーナス」(PDF)
http://www.tbr.co.jp/pdf/reserach/key_a103.pdf

2013年3月10日日曜日

ウエスタンユニオンが日本で銀行代理業務 海外送金を利用する中小企業など顧客開拓


日経(2013/3/10)「米送金大手が日本で銀行代理業務 ウエスタンユニオン」より、国際送金の世界最大手である米ウエスタンユニオンは日本で銀行代理業に参入する方針を伝えています。

・現在、準備を進めており、金融庁から認可が得られれば送金専門の事業者では初めて
・ウエスタンユニオンは楽天銀の口座を通じた海外送金で提携。提携先である楽天銀行の口座開設の仲介などを手がけ、海外送金を利用する中小企業など顧客の開拓につなげる。日本と海外の間での小口の送金需要を見込み、事業拡大に弾みをつける。銀行代理業の認可が得られれば、楽天銀にかわって預金を集めたり貸出先を仲介したりできる。楽天銀の法人顧客基盤を拡大し、自社を経由した海外送金を増やす狙い
・日本での海外送金業務は現在、楽天銀に口座がある中小企業による輸入代金の支払いに使われる場合が多い。提携開始以来6000社程度に増えた利用者を年内に1万社程度まで拡大させる
・ウエスタンユニオンは世界203カ国・地域に拠点があり、68通貨の送金を取り扱っている。日本市場には2010年に資金移動業の認可を取得して参入。楽天銀のほか、セブン銀行や金券店などとも提携
・銀行以外の事業者による小口の送金事業は10年の法改正で可能になった。市場規模は年2~3倍の勢いで急拡大している。ウエスタンユニオンは、中小企業の海外展開が進んでいることから今後も海外送金の需要拡大が見込めると判断。日本での事業拡大を加速

ウエスタンユニオン
http://www.westernunion.co.jp/jp/
送金方法
・取扱店舗から送金
・セブン銀行ATM・インターネット・モバイルバンキングから送金
・ファミリーマートに設置のFamiポートから送金

銀行代理店制度とは:
銀行法上の許可を受けた法人または個人が銀行の委託を受けて、銀行の代理店として、預金の受入、融資、為替などの銀行業務をおこなう
具体的には、銀行のために預金契約等の代理や媒介、資金の貸付け等の契約の代理や媒介、為替取引契約の代理や媒介をおこなう
従来の銀行代理店制度では、銀行代理店は銀行の100%子会社でなければならず、かつ銀行の代理業務以外の兼業が禁止されていたが、平成18年4月に施行された銀行法の改正により、銀行の代理業務をおこなうことのできる者の範囲が大きく拡大され(100%子会社規制の撤廃)、また、内閣総理大臣の承認により、銀行の代理業務以外の兼業も認められることとなった。今回の改正により、銀行代理店制度の普及が期待されている
(野村証券の証券用語解説集より一部抜粋)


【関連記事】
・2012/8/21 「Simple」 米国発:“銀行代理店”で顧客のフロントに立ってサービスを提供
http://moneyneta.blogspot.jp/2012/08/simple.html
・2012/8/23 資産管理ツールへの今後の期待
http://moneyneta.blogspot.jp/2012/08/blog-post_8826.html

2013年3月8日金曜日

証券会社の新卒採用事情が改善


証券会社の新卒採用事情が良くなっているようです。

日経(2013/3/4)「外資系証券、M&A活況で採用増 14年新卒 」:
・シティグループ証券は、グループの銀行も合わせ2014年入社(外資系は通年で採用)の新卒採用を今年に比べ2割以上増やす計画。シティグループ・ジャパン・ホールディングスは傘下の証券と銀行で、今年の新卒採用を約70人と昨年より増やした。日本企業による海外企業の買収案件は増加が見込まれるとみて、来年入社に向けた採用活動でも今年に比べ2~3割増やす
・ゴールドマン・サックス証券やJPモルガン証券、メリルリンチ日本証券も、来年に向けて採用を増やす方向で検討しており、それぞれが20~30人程度を採用する方針。米モルガン・スタンレーも日本で雇用する新卒の社員を同様に増員することを検討

Goldman Sachs Japan Careers | 2014年度国内新卒採用募集要項
2013年6月~2014年3月に国内4年制大学または大学院を卒業予定の方を対象とした国内新卒採用の応募は終了いたしました。たくさんのご応募、ありがとうございました。

シティグループ証券 新卒採用
http://www.citigroup.jp/hr/newgraduate/index.html

日経証券会社は2013年度新卒から回復傾向のようです。

日経(2012/4/2)「証券大手5社、新卒採用9%増 13年春1760人に 株回復を反映」:
・国内証券大手5社の2013年度(来春入社)の採用計画人数は、12年度実績に比べ約9%増の計1760人程度になる見通し
・欧州債務危機の落ち着きを背景に株式市況が回復傾向にあり、各社はリテール(個人向け)分野を中心に営業を強化
・野村グループの国内中核証券である野村証券は、来年春に600人の新卒採用を計画。うち外資系金融機関と同様の年俸制の専門職である「グローバル型社員」については全体の1割弱の採用を見込む
・大和証券グループは、来年度に500人と今年度に比べ新卒採用を41%増やす計画。全国本支店など個人向けの営業部門に重点的に配置する方針
・SMBC日興証券は来年度の新卒採用を300人とし、今年度実績に比べ22%減
・みずほ証券は180人と今年度実績(179人)から横ばい
・三菱UFJモルガン・スタンレー証券は3.8倍の180人をそれぞれ採用。昨年に人員削減が一巡

Nomura Careea Door 2014
http://www.nomura-recruit.jp/graduate/2014/index.html

大和証券グループ 2014年度 新卒採用情報
http://www.daiwa-grp-recruit.jp/2014/


マネーの知恵(仮)関連記事:
2012/9/19 外資系金融の終わり―年収5000万円トレーダーの悩ましき日々(藤沢数希/著)読後の感想
http://money-learn.seesaa.net/article/293271618.html

【関連記事】
・2012/11/20 外資系投資銀行 クロスボーダー案件の増加によりM&A部門拡充
http://moneyneta.blogspot.jp/2012/11/blog-post_20.html
・2012/10/31 UBSが大リストラ 従業員の15%にあたる約1万人を削減
http://moneyneta.blogspot.jp/2012/10/ubs15.html
・2012/9/20 リストラの嵐の外資系金融機関 厳しい雇用環境が続く見通し
http://moneyneta.blogspot.jp/2012/09/blog-post_3577.html

2013年3月4日月曜日

黒田日銀新総裁の所信表明要旨と為替・国債の反応


日銀総裁候補の黒田東彦アジア開発銀行総裁が衆院議院運営委員会で所信表明演説を行いました。

・デフレからの早期脱却は日本経済が抱えている最大の課題。日本がデフレを脱却して持続的な経済成長に復するということはアジアにとっても世界経済にとっても重要であり期待されている
・物価安定は中央銀行の責務であり、デフレ脱却における日銀の役割は極めて重要」とも語った。これまで過去10年以上の日銀の取り組みに言及しながらも「残念ながらデフレ脱却には至っていない
・政府と日銀が共同声明で決めた2%の物価安定目標について「世界的なスタンダードで、日銀が金融政策決定委員会で決定したのは極めて正しい」との認識
・大胆な金融緩和による早期の物価目標実現が日銀の使命と確信している
・(上昇率を)2%にまで高めるのに大変な困難を伴うのは事実だが、あらゆる手法を講じて、できるだけ早期に達成する必要がある。それは可能だと確信しており、全力を挙げてそういう方向に向けて努力する
・2%目標の導入は日銀が政策委員会で決定しており、「法律で担保されている日銀の独立性と矛盾しない」と説明
・物価上昇に伴い「平仄のあった雇用と賃金の早期改善が必要」としつつ、「経過的に賃金と雇用が改善しないことあり得る」と指摘。日銀の支店網などを活用して状況の調査が必要とし、雇用と賃金の早期改善が政府・日銀の課題と強調
~日経(2013/3/4)「黒田氏「2%物価目標は達成可能」 国会で所信」「黒田氏「デフレ脱却、世界に重要」 国会で所信 」より

野村証券金融市場調査部の池田雄之輔チーフ為替ストラテジストによる評価:
「日銀がデフレ克服に対して責任を持っているということを強く打ち出しているし、さすが国際派の黒田氏で、できることは何でもやるというフレーズを織り交ぜてきた」
「黒田氏はもともとコミュニケーション戦略を重視されているので、新しい日銀の強いコミットメントを前面に出した内容になったと思う」

為替は、「強力な金融緩和への期待から円は対ドルで一時93円73銭と2010年5月以来の安値(94円77銭)を記録した2月25日以来の安値まで下落。しかし、円売りは続かず、午前11時25分現在は93円42銭前後」に推移しました。ユーロ・円相場も一時、1ユーロ=121円99銭まで円売りが進行したが、その後は121円半ばまで円が値を戻しています。
~Bloomberg(2013/3/4)「ドルは93円半ば、日銀総裁候補の所信聴取受け上下に振れる」

債券は、続伸し、日銀による緩和強化の観測を背景に買いが優勢となり、新発5年債利回りは過去最低水準を付けているようです。現物債市場で長期金利 の指標となる新発10年物国債の327回債利回りは前週末比横ばいの0.645%で開始し、その後は0.5ベーシスポイント(bp)低い0.64%と、1日に付けた2003年6月以来の低水準に並んでいるということです。
ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジスト:
日銀の緩和強化の観測から債券は売りづらい地合いだと指摘。「追加緩和の具体策が明らかになるまで短中期ゾーン中心に金利は低水準で推移し、10年債ゾーンまでの資金流入もしばらく継続するとみている」
~Bloomberg(2013/3/14)「債券は続伸、5年債利回りが過去最低-黒田氏が国債年限長期化に言及」

【関連記事】
・2013/3/1 日本国債金利は妥当か、バブルか?日本の財政懸念に賭けて利益を出す方法
http://moneyneta.blogspot.jp/2013/03/blog-post_6095.html
・2013/3/1 債券市場、為替市場、株式市場が全く別々に動いている理由(藤沢数希氏より)
http://moneyneta.blogspot.jp/2013/03/blog-post_9165.html

2013年3月3日日曜日

国債の暴落に備えるには個人向け国債が良い?

モーニングスター代表取締役社長の朝倉智也氏の記事(2013/2/26)「国債の暴落に備える有効な商品は、なんと「国債(個人向け国債)」か?」は、史上最低の低金利(高価格)が続き、国債はまさにバブルの状態である。そして、いつ金利が上昇(価格が下落)してもおかしくないリスクを孕んでいるのは確かという状況の中、「投資家としては、国債の金利の上昇、価格の下落に備えて、債券から株式などに資金を移すのが通常の投資行動だが、実は、リスクも低く、かつ金利上昇にも対応できる金融商品が、皮肉なことに「個人向け国債」である。つまり国債のバブル崩壊のリスクヘッジは、国債(個人向け国債)で対応すると言うことである」と解説しています。
記事URL: http://bylines.news.yahoo.co.jp/tomoyaasakura/20130226-00023634/

内容は下記の通り。
・個人向け国債は、2011年12月募集分から、東日本大震災の復旧・復興支援に役立てることを明確にするために「個人向け復興国債」と名付けられた。商品そのものは以前と変わらず、「固定3年」、「固定5年」、「変動10年」の3種類
・その中でも比較的金利が高く、かつある程度の金利上昇のリスクヘッジとなる商品が「変動10年」の国債
・「変動10年」の国債のメリット
(1)1年経過後に解約すれば、元本割れはしない。
(2)下限の金利が設定されているとともに、金利上昇にも強い。
(3)投信に比べて、コストがかからない。

要は、
(1)10年国債は1年経過すれば中途解約可能であり、解約時に直近2回分の税引き後の利息をペナルティとして支払えば、元本が毀損することはないため、1年経過すれば、どのタイミングで解約しても元本割れはしないし、
(2)最低利回りが0.05%と決まっているので、低金利の状態が続いても、最低金利は保証される。一方、金利が上昇しても、半年ごとに付与される金利が変更されるので、金利上昇にも対応する(金利のフロアー(下限)が保証され、かつアップサイド(上昇)もとりにいけるといった非常に有難い商品)で、
(3)さらに、国債を販売する金融機関は、国から0.5%の手数料を受け取るが、直接投資家からは徴収しないので、通常の投資信託等を買うよりも低コストである、
というメリットがあるということになります。

一方で、債券市場関係者のブログ・85deskの記事(2013/2/26)「個人向け国債は国債の暴落への備えに有効か」では、「ざっくり言ってしまうと「利払い・償還に不安がある」と市場が思ったら暴落すると私は思う」し、「「変動10年の個人向け国債がJGB暴落ヘッジに有効である」と言うのには少々抵抗感があります。デフォルトリスクに対するエクスポージャーは変わらん」「固定利付きのJGBよりも金利上昇ヘッジ機能があることは認めますが、それを持って”国債暴落への備え”と言ってしまうのはちょっとどうかなぁと思った」との感想を述べておられます。
記事URL: http://85desk.blogspot.jp/

マネーの知恵(仮)関連記事:

・2013/3/17 [感想と書評]日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル 橘玲/著
http://money-learn.seesaa.net/article/347446977.html


(ASKコメント)
*個人向け国債は金利分を払う変わりに元本保証という特別な設計になっているため、朝倉氏は、金利上昇懸念(債券価格の下落懸念)のある現状下で、そのメリットを享受できることを紹介しています。
ただ、日本国債のデフォルトという「有事」は想定していないのでしょう。
その点を、85deskさんは指摘をしています。
主張としては別にどちらも正しいかとは思いますが、ただちに日本国債のデフォルトを心配することもないかとは思います。
低金利の個人向け国債には個人的にはあんまり魅力を感じません。。。お金がたくさんあって、かつ、安全志向の人には良いのかなあと思います。

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・2012/12/28 AKB48を広告起用も不振の個人向け復興応援国債 「握手権」は必須か!?
http://moneyneta.blogspot.jp/2012/12/akb48.html
・2012/11/19 AKB48の販売促進は厳しい状況の裏返し!? 個人向け復興応援国債のPR
http://moneyneta.blogspot.jp/2012/11/akb48pr.html
・2013/3/1 日本国債金利は妥当か、バブルか?日本の財政懸念に賭けて利益を出す方法
http://moneyneta.blogspot.jp/2013/03/blog-post_6095.html
・2012/8/15 日本の国債相場が安定している理由(日本証券経済研究所の中島将隆氏の小論文「日本の国債相場を支えているものは何か」より)
http://moneyneta.blogspot.jp/2012/08/blog-post_6211.html
・2012/10/12 日本国債の金利上昇で銀行の損失 金利1%上昇で6.4兆円、2%上昇で13.3兆円
http://moneyneta.blogspot.jp/2012/10/blog-post_12.html


アベノミクスで給料は上がるのか

ドクターZによる現代ビジネス(2013/3/3)「アベノミクスで給料は本当に上がるのか」では、アベノミクスでデフレから脱却してマイルドなインフレになると、給料がどうなるかについて論じています。
記事URL: http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34975

・過去のデータより、デフレになったのは1995年度からなので、1971年度から1994年度の24年間をインフレ時代、1995年度から2011年度の17年間をデフレ時代と分類
・それぞれの年度で、給料の上昇率とインフレ率の関係を調べ、給料の上昇率がインフレ率を上回ったら「勝ち」、下回ったら「負け」

⇒結果は、インフレ時代は21勝3敗であるが、デフレ時代は5勝12敗と負け越し。さらに詳しく見ると、インフレ時代の平均給与上昇率は7・4%で平均インフレ率は4・9%、デフレ時代の平均給与上昇率はマイナス0・7%で平均インフレ率もマイナス0・1%。

アベノミクスの効果について、「アベノミクスとは、おカネを刷ることによって人々の気持ちをデフレ予想からインフレ予想に変え、それがさらに株高、円安をもたらすという政策だ。これが消費、輸出、設備投資の実需を生み、その結果、実際にインフレ率が高まり、さらに実需が増えるので、雇用、給料も増えていく」政策であり、給料は固定費であり一度上げると下げるのも大変ですから、「給料の増加は遅れてやってくる」ものです。

また、「正規雇用でなく非正規雇用では、需給が逼迫すると賃金の上昇は正規雇用より高くなる傾向がある。企業の儲け以上に賃金が払われることは考えにくいので、そうした通常の賃金上昇であれば、消費活動を後押しして経済活動に大きなマイナスはない」ことから、「非正規雇用に依存する業種では、給料の引き上げを前倒しして雇用の確保を図る企業が出てきても不思議でない」との見解が示されています。

(ASKコメント)
*財政出動、金融政策でデフレ⇒インフレが実現したとしても、企業業績が向上しないと給料増にはならないでしょう。持続的に給料が上がるには、3本目の矢である成長戦略が実現できるかどうかにかかっていると思います。
景気が良くなることを願います。

【関連記事】
・2012/12/28 藤巻健史氏による「アベノミクス」についての見解 「時すでに遅し」
http://moneyneta.blogspot.jp/2012/12/blog-post_28.html
・2012/12/27 安倍政権の金融緩和政策 その先にある危なさ
http://moneyneta.blogspot.jp/2012/12/blog-post_27.html
・2012/12/27 安倍政権の'アベノミクス'が失敗するリスク要因は
http://moneyneta.blogspot.jp/2012/12/blog-post_869.html
・2013/1/11 ジム・ロジャーズ氏のアベノミクスへの見解「個人的にはミステイクだという気がしている」
http://moneyneta.blogspot.jp/2013/01/blog-post.html


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金融リテラシーを上げるには実際に投資をするのが近道


ニッセイ基礎研究所・金融研究部門の北村智紀氏による「確定拠出年金(DC)への加入と金融に関する知識との関係」(2013/3/1)では、DC 加入者の知識が非加入者と比較して高いのかどうか、、株式投信の保有を考える機会が知識を高めている可能性と比較をしながら、検証しています。
・確定拠出年金(DC)への加入と金融に関する知識との関係
http://www.nli-research.co.jp/report/pension_strategy/2012/vol201/str1303d.html

DC 加入者の金融リテラシーが高まっているかについて、1600人を対象に、DC加入・非加入別、株式投信保有・非保有別に、実際に簡単なクイズに答えてもらい、正答率の違いを調査しています。

問 1:複利計算ができるか
金利が20%の場合、100万円は5年後にいくらになるか?
選択肢:(1)200万円、○(2)200万円より多い、(3)200万より少ない、(4)わからない

問 2:金利と債券価格の関係がわかるか
金利が上昇すると国債価格の値動きは?
選択肢:(1)値上がる、(2)変わらない、○(3)値下がる、(4)わからない

問 3:外国為替の動きと外国投資の収益の関係がわかるか
為替レートが円安の場合、外貨預金の円ベースの価値は?
選択肢:(1)増える、○(2)変わらない、(3)減る、(4)わからない

問 4:分散投資効果によりリスクが低下することを知っているか
個別株とインデックスのファンドではリスクが小さいのは?
選択肢:(1)個別株、(2)同じ、○(3)インデックスファンド、(4)わからない

問 5:ドルコスト平均法を知っているか、という何れも運用を行うには基礎的な事項である
ドルコスト平均法とは?
選択肢:(1)為替レートの平均値、○(2)定期的な投資、(3)売買の手法、(4)わからない

①DC加入者の正答率は上昇(10%有意水準)
②株式投信の保有者の正答率は上昇で有意水準も高い(1%有意水準)
③DC に加入することにより株式投信を保有することになった複合効果はない
という結果になっています。

一般に株式投信を購入しようとする者は、それなりに勉強し、金融に関する知識が高まると言われている。これは DC 加入の効果というより、株式投信保有の効果と考えた方が良いのかもしれないとのことです。

結果は DC 加入による投資教育の効果を表しているように見るが、必ずしもそうは言い切れない。金融リテラシーが高まるのは、DC 加入による投資教育の直接的な効果よりも、株式投信を保有するかどうか考える効果の方が大きいようである、との結論が示されています。
一方で、DC 加入者の資産配分を見ると預金などの安全資産が多いことを挙げ、「株式投信を保有するかどうか考えてはじめて金融リテラシーが高まるとすれば、運用対象として安全資産しか考えない人の金融リテラシーは高まりようがない。このような加入者の知識をどのように高めていくか課題」との認識が示されています。

2013年3月2日土曜日

QUICKが新情報サービス「Qr1」を提供


QUICKより
「Qr1、新登場! QUICKが変わる証券・金融リテール戦略の決定版」
http://www.quick.co.jp/whats_new/130117.html

・ユーザーエクスペリエンス(UX)の向上を追及
株式、投資信託、債券、為替、商品など世界中の金融商品を徹底的に網羅。見やすいレイアウトとシンプルな操作性でユーザーエクスペリエンス(UX)の向上を追求。目的のコンテンツにすぐにたどり着けます。
・新しい検索機能とQUICK厳選のテーマで相場材料を逃さない
関連ニュースやキーワードも表示する新しい検索機能で、さまざまな切り口からセールストークをサポートします。QUICKが独自に選んだ注目の銘柄やテーマ、市場参加者がチェックしたニュースのランキングなども提供。相場材料を見逃しません。
・タブレット端末で説得力あるプレゼンも
オフィスのPCでチェックする操作感をそのままに、タブレット端末でもご利用いただけます。どこにいても最新の情報をキャッチでき、シナリオに沿った画面を事前に登録することで、投資家のみなさまに向けて説得力のあるプレゼンテーションができます。
・業務系システムとも連携
お客さまのシステムで利用している取り扱い銘柄や決済用コードなどがQr1と連携でき、業務の一体化を実現します。

日経(2013/3/2)「QUICK、4日から新情報サービス「Qr1」開始」:
QUICK(東京・中央)は3/4から、新しい金融情報サービス「Qr1」の販売を始める。金融機関のリテール向け営業の支援サービスとして、外国株や投資信託の情報を拡充した。営業マンが持ち運べるよう、タブレット端末やスマートフォン(スマホ)にも対応する。
 海外株は約70カ国4万銘柄の海外株データを網羅し、うち2000銘柄は企業概要などを日本語で表示できる。国内株もニュースなどのキーワードから簡易に検索できるようにした。投信は個々の投資事例ごとに、これまでの分配金などを加味した運用成績などを計算できる機能を追加した。

2013年3月1日金曜日

日本国債金利は妥当か、バブルか?日本の財政懸念に賭けて利益を出す方法

日本国債の金利低下が続いています。10年物国債の利回りは0.65%。
















(日本相互証券株式会社より)



・Bloomberg(2013/3/1)「債券は続伸、追加緩和期待で長期金利10年ぶり低水準-超長期債に買い」
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MIYBT36JTSEQ01.html

2013/3/1の10年物は、長期金利の指標となる新発10年物327回債利回りは、0.5bp低下の0.66%で始まった後、水準を切り下げ、一時2.5bp低下の0.64%と、2003年6月26日以来の低水準を付けた。午後にかけては、下げ幅を縮小し、横ばいの0.665%まで戻したものの、午後3時すぎは0.65%で推移しています。

マーケット関係者のコメント
「需給要因に加えて、黒田東彦新日銀総裁に対する期待感も大きくなっており、追加緩和に伴う一層の金利低下を織り込む形で買いが膨らんでいる。20カ国・地域(G20)会議以降、円安の勢いが止まったことで売りが止まったことも背景にある」(大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥債券運用部長)
、「株高の影響で年金基金は株を売って超長期債を中心に債券を買わないといけない金額が大きい。年度末が意識されてリバランスの買いも強いのではないか。銀行も超長期債を買い始めている可能性がある」(メリルリンチ日本証券の藤田昇悟チーフ債券ストラテジスト)


一方で、浜町SCIコラムでは、長期金利が歴史的な低水準にあると指摘。

・浜町SCIコラム(2013/3/1)金利上昇にベットするアイデア(1)過去の金利推移を見直してみよう
http://www.hamacho.net/column/archives/8469
・浜町SCIコラム(2013/3/1)「金利上昇にベットするアイデア(2)国内の投資信託の活用」
http://www.hamacho.net/column/archives/8564


浜町SCIコラムによると、「長期金利の方向性はどちらもありえよう。しかし、超長期金利がすでに上昇を始めているように、いつかは長期金利も上昇に転じる。アベノミクスでインフレ目標を2%とするなら、タイミングの差こそさえあれ最低2%程度の金利上昇は予想してしかるべき」ということです。

また、長期金利の大底に国内の投資信託を購入する投資戦略、すなわち、長期国債をショート(空売り)し、長期金利上昇(=長期国債の価格下落)の時に儲かるようにポジションを取る方法についても解説されています。10年国債は1%金利上昇すると1割価格が下がります。

①長期国債先物をショート

・この市場はプロ向けのもので売買単位は額面で1億円である。
(取引金額はさらに大きく1.5億円弱となる。)
いかにレバレッジの恩恵があるにせよ、とても個人が関与するような規模ではない。

・東証はミニ長期国債先物の市場を用意している。これは上記の売買単位を1/10にしたもの。
つまり額面10百万円単位で取引ができる。(取引金額は15百万円弱)
これなら個人でも参加できるかも知れない。しかし、この金額は1単位としてはやはり大きすぎる。

・さらに小さい取引単位で相対取引を受けてくれる証券会社もあるにはある。
これについては以前検討したが、取引コストとカウンター・パーティ・リスクに注意

②長期国債先物をショートする投資信託
・日本債券ベア(T&Dアセットマネジメント)
主として日本の短期公社債に投資するとともに、日本の国債証券先物取引(長期国債標準物)の売建額が、原則として信託財産の純資産額の5倍程度となるように調整を行い、日本の長期債市場全体の値動きの5倍程度反対の投資成果を目指す。このファンドの基準価額は公社債の値動きと逆の方向に増幅されて動く。
・スーパーボンドベアオープン3(野村アセットマネジメント)
円建ての短期公社債などの短期有価証券を主要投資対象とし、国債証券先物取引を積極的に活用することで日本の長期債市場全体の値動きの概ね4倍程度反対の運用成果を目指す。運用にあたっては、日本の短期公社債等を中心に投資するとともに、国債証券先物取引を原則として信託財産の純資産額のほぼ4倍程度の売立て額で売立てを行う。
(出典: モーニングスター)

一方、投資信託については、「金利上昇が制御のしきれないペースで起きた場合、利益が取れるとは限らない。まず、日本の金融機関のほとんどが厳しい状況に置かれ、本来の機能を失いかねない。これら投資信託の運用会社はピカピカの会社だが、カタストロフィーではどうだろう。投資信託は分別管理しているはずだが、ポートフォリオの先物取引自体が安全とは限らない」と指摘がされています。


マネーの知恵(仮)関連記事:

・2013/3/17 [感想と書評]日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル 橘玲/著
http://money-learn.seesaa.net/article/347446977.html

・2010/12/23 日本破綻「その日」に備える資産防衛術 藤巻健史/著
http://money-learn.seesaa.net/article/174733210.html
・2010/12/24 史上最大のボロ儲け ジョン・ポールソンはいかにしてウォール街を出し抜いたか グレゴリー・ザッカーマン/著 山田美明/訳
http://money-learn.seesaa.net/article/174811147.html
・2010/12/28 世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち マイケル・ルイス/著 東江一紀/訳
http://money-learn.seesaa.net/article/176723522.html

【関連記事】

・2012/8/15 日本の国債相場が安定している理由
http://moneyneta.blogspot.jp/2012/08/blog-post_6211.html
・2012/10/12 日本国債の金利上昇で銀行の損失 金利1%上昇で6.4兆円、2%上昇で13.3兆円
http://moneyneta.blogspot.jp/2012/10/blog-post_12.html
・・2012/10/13 日本の財政の現状を知る 財務省の「日本財政関係資料」(平成24年度予算 補足資料)より
http://moneyneta.blogspot.jp/2012/10/24.html


債券市場、為替市場、株式市場が全く別々に動いている理由(藤沢数希氏より)

金融ブロガーの藤沢数希氏がアゴラ「量的緩和と株式投資家のバカの壁」(2013/3/1)に寄稿し、アベノミクスで為替は円安、株価は上昇、債券は低金利が続いているという現象をユニークに解説しています。
記事URL: http://agora-web.jp/archives/1521896.html

「市場の期待で円は安くなり株価は上昇した。衆院選を控えた昨年11月ごろの日経平均は8600円程度だったので、自民党への政権交代が期待され、そして実際に自民党政権になってからの3ヶ月の間に日本株は30%以上も上がった」。
債券市場、為替市場、株式市場が全く別々に動いているのは実に興味深いことで、なぜ株価が上がったのか、なぜ日本国債の長期金利が低いままなのか、そして今の株価は高すぎるのかどうかという視点を、債券市場、為替市場、株式市場のそれぞれの観点から藤沢数希氏の考えが示されています。

①株価が上がった理由
・企業業績が改善されたというよりも、安倍総理のアベノミクスによるところが大きいというのが大方の見方
・仮にデフレ脱却が成功し、マイルドなインフレが起こると予想するならば、まず長期金利が上昇するはず。「実質金利 = 名目金利 - 期待インフレ率」なので、名目金利は実質金利+インフレ率となり、インフレ予想でダイレクトに決まってくる
・しかし、名目金利は逆に低いままで、ついには長期金利は0.7%を下回ってしまって、歴史的に最低になっている。
・理由は簡単。債券市場の投資家はプロばかりで、量的緩和に意味が無いことがよく分かっているのだ。だからアベノミクスで何も変わらないことを知っている。ゼロ金利下で、日銀がいくら銀行から短期国債を買っても、それは銀行が持って寝かせておいた国債が、寝かせておく現金に変わるだけで、実質的に何も変わらない。

②為替が円安になった理由
・為替トレーダーは心理学の世界である。ファンダメンタルズは重要だが、ファンダメンタルズの理論で分かることは、1ドル50円だったら円は高すぎだし、1ドル150円だったら安すぎだろう、ということぐらいだ。
・為替市場では、日本の個人投資家(ミセス・ワタナベ)などの大量の素人トレーダーが取引している。こうした集団の心理を予想して、プロのトレーダーは取引している。つまりアベノミクスで円安になると多くの集団が予想すると予想すれば、円を売る理由になるのだ。

③株価が上がった理由
・株式市場の投資家は、この中では一番知能が低い。日本でいえば、数学なしの受験で私大の文系大学に入学したような人たちだ。
・株式投資家たちは、量的緩和というのは、中央銀行がやる日本円の株式分割であると理解した。
・残念ながら、数学なしの受験で私大に入ったような人たちが主役の株式市場では、未だにゼロ金利政策と量的緩和の区別が付いている人はほとんどいない。だから流動性の罠などといわれても、全くもって分からない。こうして債券市場の投資家が全く相手にしていなかったアベノミクスが、株式市場では大いに効果を発揮したのである。
・日本株のファンダメンタルズを見ると、すでに割高の水準になってきている。アメリカや世界の株式市場のPERは15倍程度で、新興国にいたっては10倍ちょっとにも関わらず、日本株のPERは20倍である。明らかなバブルとはいえないまでも、すでに日本株はちょっと割高である。

④これから、どうなる?
・結果的に、量的緩和の誤解によって、日本経済は好転するのかもしれない。やはり株価が上がると、みんな気分がいいのである。
・これからは規制緩和や構造改革の気運を再び高めることによって、日本の底力を上げ、先行する株価に追いつくようにしてもらいたい。それができなければ、かつての民主党政権のように、早晩に株価も支持率も下落することになろう。
・最後に大事なことを言っておくと、確かに株式投資家は債券投資家よりも勉強はできないが、一方で、勉強ができる債券投資家が間違っている可能性もある。なんせ、あのサブプライム住宅ローンが入った金融商品の利回りを計算していたのが、金融工学や数学や物理学でPhDを取った債券投資家の人たちなのだから。細かいことは分かっていても、大事なことが分かっていない可能性がある。日本の財政破綻が本当に起こるとしたら、正しいのは株式投資家の方だったということになる。


【関連記事】
・2012/8/14 リーマン・ショック・コンフィデンシャル書評(金融日記より)
http://moneyneta.blogspot.jp/2012/08/blog-post_1478.html

マネーの知恵(仮)
・2012/9/19 外資系金融の終わり―年収5000万円トレーダーの悩ましき日々(藤沢数希/著)読後の感想
http://money-learn.seesaa.net/article/293271618.html



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上場促進へ規制緩和検討 最低株主数を引き下げ(日経より)


日経(2013/3/13)「政府、上場促進へ規制緩和検討 最低株主数を引き下げ」より:

政府は成長企業の新規株式公開(IPO)を促すため、市場規制の緩和を検討すると伝えられています。
上場前の増資をしやすくしたり、上場に必要な最低株主数を引き下げたりすることを規制改革会議(議長・岡素之住友商事相談役)で議論する予定ということです。
安倍政権は民主党政権下で活動を停止していた規制改革会議の再開を決め、1月下旬に初会合を開いた。会議は月1回のペースで開催し、6月に答申をまとめるようです。

報道されているトピックは2点。
・現在はIPO前の1年以内に割当増資に応じた投資家は、IPO後の半年間は原則株式を売却できない。この期間を短縮できれば、IPO前の増資に応じる投資家が増える可能性がある。東証の新興市場でも300人以上と規定しているIPO時の最低株主数を下げれば、少数株主の企業でもIPOが可能になる
・発行済み株式数の5%超の株を保有する投資家は持ち株に1%以上の変動が発生した場合、大量保有報告書を提出する必要がある。投資家などの負担が重いため、政府は投資家に報告書の提出義務が生じる範囲を狭めることを検討する。上場企業の四半期ごとの業績開示についても、事務負担の軽減を目指す。

IPOが増えれば新興企業への資金供給が増え、株式市場も活性化すると効果が期待されています。

“ネット投信”や“資産運用”に関して、日頃から感じている疑問や意見

ASKさんのツイッターより
http://twitter.com/#!/ASKLearn


“ネット投信”や“資産運用”に関して、日頃から感じている疑問やご意見

・長期投資のために本質的に大事な情報提供がなされていない。
・ETFの普及のための活動が不十分(顧客である投資家の目線に対する配慮が不十分)
・長期投資のための商品提供が十分にされていない
・ヘッジ手段をもっと多様に提供して欲しい
・売買の利便性をもっと向上して欲しい(デイトレ向けのトレーディングツールばかりが発達している)

歴史的な国別GDPシェアの推移

歴史的な各国の国別GDPシェアの推移のグラフです。
はるか、西暦1000年~2008年までの時系列です。

1820年のインド+中国のGDP世界シェアは49%、米国は1900年代初から20~30%、アフリカは1900年代に掛けシェアが減少、中国の復権が見てとれます。





















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