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2015年5月25日月曜日

証券会社が勧めるラップ口座 残高急増で4兆円を突破、専門家は「最も買ってはいけない金融商品」と指摘

日経(2015/5/25)によると、ラップ口座の残高が、2015年3月末までに過去1年間で3倍弱に膨らみ、4月末には4兆円を超えたと伝えられています。
ラップ口座は、「個人が投資先選びなど資産運用を金融機関に一任するもので、投資初心者を中心に長期の資産形成をめざす商品」として関心を集めているようです。
契約残高は野村証券、大和証券、三井住友信託銀行、SMBC日興証券の上位4社で全体の8割超を占めているようです。
野村、大和はラップの残高が1兆円を超え、営業に力が入っていることが窺えます。「証券各社は売買手数料に依存する変動の大きい収益構造を預かり資産からの安定収益で稼ぐ形に変えようとしている。各社ともラップをその中核商品と位置づけており、営業姿勢の変化も残高拡大を後押ししている」と伝えられています。

















ラップ口座は目標利回りや期間、リスク許容度などを聞いた上で、その計画に沿って資産配分や商品選択、配分見直しを代行するサービス。オーダーメード型のSMAと投資先を投資信託に絞るファンドラップがあります。

ファンドラップ:証券会社等は顧客と投資一任契約を締結し、顧客の許容リスクや期待リターン等に応じて、複数の投資信託から顧客に適したポートフォリオを構築して運用を行ないます。
SMA:セパレートリー・マネージド・アカウント(Separately Managed Account)の略称で、証券会社が、投資家から預かった資金を、投資一任契約に基づいて、投資家の運用方針に従って一括して運用・管理するサービスです。最低投資額が数千万~1億円と富裕層が顧客の中心とされています。


最近は証券各社がファンドラップの最低額を300万~500万円程度まで引き下げており、多忙や高齢などで運用の手間を省きたい個人を中心に投資を始める入り口商品としての需要が広がっています。

各社ともサービスの差別化で顧客の囲い込みを展開、野村は顧客と運用方針を確認する機会を最低でも年4回設定。契約後もきめ細かい助言を続けることで「既存顧客からの追加の預け入れも目立つ」ということです。

ラップ口座は、契約するコストが高いという指摘があります。
日経記事では、「1つは投資一任契約に対して支払う手数料で、ファンドラップの場合は残高の1~1.5%程度がかかる。これとは別に運用先の投資信託の管理費用が必要で、これは同1%前後かかることが多い。残高に対して総額2%程度のコストがかかるため、ラップ口座は「投資先商品だけを見れば高い」(ファイナンシャルプランナーの深野康彦氏)という指摘がある。上場投資信託(ETF)を自分で組み合わせるなどすれば、費用を抑えてラップ口座とほぼ同じ運用ができるからだ」と記事内で記載されています。

一方、「野村総合研究所の金子久上級研究員は「付随する助言サービスも含めれば、手数料に見合うと考える人も多い」と話す。契約後に各社とも運用状況を継続的に顧客に報告し、市場環境や生活計画の変化に対応したアドバイスを何度も受けられるからだ」とされ、日経では、「コストが適正かどうかは、付随するサービスも見たうえで自ら判断する必要がある」とされています。

週刊ダイヤモンド(5月23日号)は「投資の鉄則」というお金の運用の大特集で、「ラップ口座」は、専門家アンケートで専門家5人中3人が「最も買ってはいけない金融商品」に挙げられました。理由は「金融機関に丸投げする高手数料コスト商品」とされています。

【マネーの知恵(仮)関連記事】
・2015/9/22 銀行の投信販売現場に行ってきました。親が銀行のお客様(上カモ)だった!(その3)
ファンドラップ ~コストと期待リターン -多くの人は0.5%以下の利回りに2.5%以上の手数料を払っている!?
http://money-learn.seesaa.net/article/426530132.html
・2014/12/21 (株)お金のデザインの新サービス「ETFラップ」の説明会に行ってきました。
http://money-learn.seesaa.net/article/411045614.html
・2014/12/30 銀行の投信販売現場に行ってきました。親が銀行のお客様(上カモ)だった!(その2)
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・2014/12/29 銀行の投信販売現場に行ってきました。親が銀行のお客様(上カモ)だった!(その1)
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